『東大落城』安田講堂36時間の攻防戦見て思い出した

市街戦。それはお茶の水や新宿に留まらず、我が家(四谷)の近所にも及んでいた。ある日、家族団欒の夕食を終えると、通りの方から尋常じゃない怒号が響いてきた。ただならぬ気配を感じた俺は、2階に駆け上がり、窓から外の様子を窺った。すると隣の路地でボーンという音がし、火柱が上がった。火炎瓶?!。次の瞬間、家の路地に赤いヘルメットの過激派集団がなだれ込んできた。すかさず向かいのおじさんが出てきて、「ここは行き止まりだよ」とニコニコしながら声をかける。過激派集団は引き返していったが、通りではまだ怒号が続く。あとで聞いた話だとその集団は私服警官を追ってきたらしい。実際友達の家なんかは怪我をした私服警官を匿った。騒ぎも一段落して親に連れられて恐る恐る通りに出てみると、あたり一面血痕だの角材だの瓶のかけらだの凄い状態になってた。そのあと好奇心旺盛な父親が四ツ谷駅に偵察に行き、興奮して帰ってきた。交差点が大変なことになってるというのだ。再び連れ出されて、今度は交差点へ。そこで目にしたのは、黒焦げで横転しているバスや自家用車、そして投石を受けた無残な姿の交番だった。40年前か・・・年端もいかない子供だった頃の俺の記憶。